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銀杏の生産地は濃尾平野の西方、木曾川に接する祖父江町で、全国の七割ほどを産出しています。町を訪れると、イチョウ畑というよりもイチョウの杜が点在し、垣根を巡らした庭には必ずというほど数十年以上は経たであろう大木があり、それらが一斉にたわわに実らせた銀杏に出会うと、いささか目のくらむような感動を覚えます。
祖父江町によると、イチョウは燃えにくいため防災用に、また伊吹おろしから屋根を守る防風のために江戸時代に植えられたそうです。銀杏生産を目的としたイチョウ栽培は百年程前からで、成功した理由は、まず伊吹おろしが逆に木の軟弱成長を抑え、貯蓄養分を増したこと。そして夏の高温と高い地下水位が実を大きくし、上質の銀杏栽培に結びついたといわれています。
祖父江町近在の銀杏には、久治、藤九郎、金兵衛、栄進などの品種があります。中でも、藤九郎は食味が良く粒が大きく、貯蓄性もあるため、市場価値が高いものです。茶碗蒸し、がんもどき、土瓶蒸しなどに使う銀杏は脇役ですが、酒の肴によく合う煎銀杏は、風味の良い主役となります。
晩秋になり、よく実った銀杏はもっちりとして旨みも深く、十分に茹でて餅のように搗き、団子として薄葛仕立てでいただきます。
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